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31歳からの数学修士

なぜ再び数学するのか

メビウス変換で「無重力フライト」してきたぜ

ハッカソン レポート 数学 複素数 リーマン球面 メビウス変換

だいぶ時間が経ってしまいましたが、2月に開催された HackDay 2016 で「ぬるぬる動くメビウス変換」を作った話と、その賞品として獲得した「無重力フライト体験」について書きます。

ぬるぬる動くメビウス変換

昨年の Open Hack Day 3では発泡スチロール製の「リーマン球面」を作りました。また今年も数学ネタでやろうということで複素友人の堀川くんを誘って、再び「リーマンズ」というチーム名で HackDay 2016 に参戦しました。

堀川くんは Pov-Ray でリーマン球面上のメビウス変換を可視化するアニメーションを作っていたので、これを物体として目に見えるようなものを作ったら面白いだろうと。前回と同じ球体を使っては面白くないので、今回は Gakkenワールド・アイ という球面ディスプレイを使うことにしました。

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これ、液晶が球面になっているのではなく、球面のスクリーンに内臓のプロジェクターで映像を映すようになっているんです(なので安いし軽い)。いざモノを手に入れて、さてどうやってここに図形を投影するんだろうと悩んでいると、堀川くんはあっさりと「立体射影なんだからそのまま複素平面を映したらええんちゃいます?」と言うのです。

はっ!

製品自体が立体射影をやってくれてるんだから、複素平面を投影すればそのままリーマン球面として映し出される訳ですね! (詳しくはこちら → リーマン球面 - Wikipedia

24時間の開発

http://c01.newswitch.jp/index/ver2/?url=http%3A%2F%2Fnewswitch.jp%2Fimg%2Fupload%2FphpH1Zssv_56c19add57ae2.JPG

引用: 強烈な個性のぶつかり合い!日本最大級ハッカソンを制したのは?

本番は2月13日〜14日。85チームがエントリーし、24時間でプロトタイプを開発して、直後に舞台で片っ端から90秒ずつプレゼン。上の写真は開発中に取材を受けたもので、テンパってるときに撮られたので「うるせーな、早くどっか行け」みたいな顔してます(態度悪くてごめんなさい)。

堀川くんが映像の部分を作り、僕は Leap Motion を使ってジェスチャーで球面を操作する部分を作りました。実際に想像した通りに動くようになるとなかなか興奮するものがありました。

そして本番!

http://blog.sideriver.com/flick/images/2016/02/18/img_5200.jpg 引用:「僕らはサービスを作れる!!」Yahoo! HACKDAY 2016開催!(中編) #hackdayjp | フリック!ニュース /Flick!News

僕らは85チームあるうちの7番手でした。もちろん観客や審査員に対してリーマン球面やメビウス変換を既知とは仮定できないので、90秒のプレゼンの中でちゃんと説明から入りました。リーマン球面上のメビウス変換を可視化し、手をグッと握ると楕円型/双曲型から放物型に退化して不動点が1点に潰れる様子をデモしました。

こちらが本番の動画です:

こちらはプレゼン後に展示スペースで撮影したものです:

展示スペースには子供も何人か来て楽しんでくれました。大人は「これは何の役に立つの?」などとツマラヌこと聞いてくるのに対して、子供は純粋に作品を楽しんでくれるので良いですね。

まさかのゴールド賞

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「ぬるぬる動くメビウス変換」、なんとゴールド賞を受賞してしまいました。そもそも賞を取ることは全く期待しておらず(むしろ賞狙いハッカソンへのアンチテーゼのつもりでやってた)、チーム名を呼ばれたときには大変驚きました。

審査員の一人である石黒浩先生からは、

「普通の人はこんなモン何の役に立つんだと思うかもしれませんが、数学がどんだけキレイかということが数学が人を惹きつける理由で、そこから普通の人では成しえない面白いものを見つけていくんだ」

と講評を頂きました。イイネ100回連打したくなります。

賞品はなんと日本宇宙フォーラムによる「簡易無重力実験」。これはテンション上がります。ちなみに「ゴールド」は2番手で、「グランプリ」は賞品がシリコンバレーツアーだったのですが、どう考えても無重力フライトのほうがアツい。

無重力フライト体験

という訳でハッカソンから3ヶ月後の5月14日、無重力フライト体験してきました!

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飛行場は名古屋。午前中に説明を受けてから飛行服(?)に着替え、昼過ぎにいざ離陸。1回20秒ぐらいの無重力状態を2組で交代で計8回。急上昇中は 1.8G がかかり脳天の血がグワーッと引いていき、そこから一気にエンジンを切って放物落下させることで15秒ほど無重力状態になります。体が宙に浮く感覚は実に不思議で、クルクル回ってると自分がどこにいるのか分からなくなります。無重力状態が終わるとボテッと落ちます。

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いやぁ、何とも得難い体験をさせてもらえました。人生、何か目標に向かって頑張るのも大事ですが、単に面白いと思うことを追求してたら全く予想もしてないところへ導かれるということもあるようです(?)

ちなみに一般の人でも申し込めば無重力フライト体験できるようです。金額については各自ご確認下さい → 日本宇宙フォーラム | その他のサービス | 無重力簡易実験

数学ハッカソン

ITを使って数学を表現するのはとても楽しいです。最近は Processing でジェネラティブアートを作っている方や、VRでζ関数の上を歩けるものを作っている方など色々と見かけるので、「数学ハッカソン」を開催したら盛り上がるんじゃないかと妄想しています。夏の終わりにでもやってみようかなと思うので、興味のある方はウォッチしててください。

それでは、また!

「芸術的正しさ」と「身体的正しさ」

レポート 一言 数学

昨日、書泉グランデで開催された数学者・加藤文元先生の講演「正しさからの挑戦」を聞きに行きました。

www.shosen.co.jp

加藤先生は大学時代は数学には全く興味がなかったそうです。子供のときに数学者であるお祖父さんに買ってもらった『おもしろい数学教室』をふと手に取り、そこにあった「無限に大きく自乗しても変わらない数」に興味を持ち、それを検証するプログラムを自分で作ってみた。すると驚くべき特徴に気づき、調べれば調べるほど面白い性質が見つかり、一人でその研究に没頭したそうです。後にそれは「p進数」と呼ばれるものであることを教わり、これはもっと知りたいと思って数学の道を志したそうです。

その原体験から数学者として研究を進めている今まで、ずっと拠り所となる「正しさ」の感覚があったそうです。それが「芸術的正しさ」と「身体的正しさ」。「芸術的正しさ」とは p 進数や非ユークリッド幾何学のように、一見狂った世界に見えても、踏み込んでみると一貫して整合の取れた世界が広がっていて「これは確かにあるんだ」と確信させられる感覚のこと。「身体的正しさ」とは、ミッシングピースを探していて「これはどうかな…?」とはめてみたところ、ピタッとハマってときの快感のこと。

数学における「正しさ」というと、多くの人は「論理的に無矛盾であること」と考えると思います。それはもちろん大切なのですが、数学を自ら作っている立場の人にはそれだけではない創造的な「正しさ」を持っているのだと感じました。よく数学を賛美する言葉として「数学は美しい」と耳にしますが、個人的にはそれでは全然物足りない感じがあって、先生の言う「狂ってるのに正しい」という感覚は僕が数学に対して感じる躍動的な面白さを直指しているように思えてとても腑に落ちました。

ちなみに僕が数学を好きになった原体験はというと小学校のときの塾の先生で、学校の授業が嘘臭く感じて反抗ばかりしている僕を理解してくれる人でした。その後も尊敬する数学の先生に何人か出会っているのですが、共通して論理的にも感覚的にも「正しさ」を自分の中に持っているように感じます。「正しさ」が自分の中にあるから、真っ直ぐ話をしてくれるし真っ直ぐ話を聞いてくれる。常識に馴染めずに苦しんでいた僕にとっては、そういう先生たちの存在は救いでした。

しかし「正しさからの挑戦」ってめちゃめちゃカッコイイですよね。なかなか容易に宣言できる言葉じゃないと思います。しかも加藤先生は昭和の映画俳優のように長身でダンディな方でした。惚れてしまいますね。

物語 数学の歴史―正しさへの挑戦 (中公新書)

物語 数学の歴史―正しさへの挑戦 (中公新書)

ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

数学する精神―正しさの創造、美しさの発見 (中公新書 1912)

数学する精神―正しさの創造、美しさの発見 (中公新書 1912)

31歳からの大学院進学(数学・修士課程)

ポエム 数学

どうも、佐野です。4月から会社を休職して、大学院に進学しました。一人の学生として、日々数学を学んでおります。ちょうど一ヶ月経ったところで、記憶が新鮮なうちに受験までの経緯を振り返ってみようと思います。

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学部生時代 〜 9年前

僕は大学で数学を専攻していました。大学院は試験には合格したものの進学せず、社会に出ることにしました。

学部で数学科を選んだのは数学が好きだからではあったのですが、他に興味の持てる分野がなかったという面もありました。大学院も「まぁ行くんだろうな」ぐらいに思ってはいたけど、研究したい分野がハッキリとあった訳でもなく、その先も研究者にはならないだろうと思いつつ、就職に対しても全く前向きでありませんでした。

「数学が好き」といっても、それも曖昧な感覚です。「数学は才能がないとやっていけない」という言葉はよく耳にしますし、小さい頃から数学に没頭していたタイプでもなければ、バリバリ問題が解けるタイプでもない。素数の音楽が聞こえたり、円周率の色彩が見えるような感覚も持っていません。数学科にいると根っからの数学好きみたいな人はいて、そういう人を見ると距離を感じてしまうものでした。

そういった不安に加えて、4人で暮らしていた実家で1人になり(両親は海外へ、兄は地方へ)、バイト先の人間関係がうまくいかず、授業はどんどん難しくなってついていけなくなって、そんな自分に数学で鍛えた批判精神を向けてしまって、ストレスで心身ともにダメにしてしまいました。院試はなんとか合格したのですが、「落ちたらどうしよう」という不安から解放されたという安堵が強かったのを覚えています。

そんな状況の中で、中学のときのコンピュータ部の先輩から「未踏に応募しないか?」と誘われ、それがキッカケでそのメンバーと会社を設立することになります。具体的な目標に向かってチャレンジするのは久しぶりに心の底から燃えたし、このメンバーと何かをやれるチャンスは今しかない、大学院は試験に受かればいつでも入れるんだから、またその気になったときに戻ればいいと思って、大学院の進学を辞退しました(父親には強く反対されましたが、一年も経った頃には僕の決断も認めてくれていました)。

とはいえ大学に入ってから直向きに勉強してきて、全然納得の行くレベルで「数学をやった」と言えない状態でそこから離れるのは未練が強かった。中途半端ではいけないと思い、持っていた数学本は全て図書館に寄付したり友人にあげたりして手放しました。それ以降は数学のことは心に秘めて過ごしてきました。

心境の変化 〜 2014年

その後は色々な紆余曲折がありながら、二度転職し、結婚もして子供も産まれ、「決して振り返るまい」と思っていた過去のことも少しずつ受け容れられるようになってきました。

2014年、 Apple から新しい開発言語 Swift が発表されました。僕は iOS アプリ開発をしていたので Swift は出てすぐ熱心に勉強しました。そしてたまたま Swiftの隠し機能:数学記号をカスタムオペレータとして使う という記事を見かけ、これは面白いと感心しました。例えば というカスタム演算子を定義すれば、配列の総和をとるコードもこんな風に書けるのです:

let sum = ∑[1, 2, 3, 4, 5]

これは  \sum_{n=1}^5 n です。定積分 だって作れます:

let val = 0...2*M_PI ∫ sin

これは  \int_{0}^{2\pi} \sin{x} dx です(もちろん結果は近似値です)。単にこういう書き方ができるというだけのことですが、コードの見え方が変わって面白いなと。そんな話を社内 LT でしたらウケが良かったので、今度は社外向けの勉強会で「虚数は作れる!Swift で学ぶ複素数」という発表をしました。無謀にもこれを 250 人のエンジニアの前で発表したのですが、これがまたウケがよかった。

この勉強会に参加してくれていた束田さんが偉く感動してくれて、「数学勉強会を開催してほしい!」という熱烈リクエストを送ってくれました。そんなニッチな勉強会を開催しても人は集まらんだろうと思ったのですが、「ゲーム界隈では数学勉強し直したい人は多い!」と言われ「確かにそれはそうかも」と思って検討を始めました。

僕一人でできる話には限りがあるので(特に僕は役に立つ方の数学には疎めなので)、プログラミングと絡めて面白い話をしてくれそうな人を募ってみようと。そうして年明けの 2015年1月に「第1回 プログラマのための数学勉強会」を開催することとなります。

これが大好評であったことは僕にとって革命的に嬉しいものがありました。

数学に没頭できない苦しみと受験の決意

その後も第2回、第3回、第4回と勉強会を開催し、毎回発表者が素晴らしく面白いテーマで話してくれるので「自分ももっとやりたい!」という気持ちは高まる一方でした。それまで数学の話ができる仲間に出会えていなかったので、一気に孤独から解放された気分でもありました。しかし仕事もあって、生まれたばかりの子供もいて、学生の頃のようにしっかりとした数学の勉強をするのには無理があります。一週間丸っと有給休暇をとって図書館に引きこもってみたりもしたのですが、たった数ページしか進まず愕然としたものです(ブランクがあるんだから当たり前…)

たまたま TL で見かけたこの記事にも強く心を動かされました。

勉強をやり直したい大人のための大学受験のすすめ

勉強は楽しい。無茶苦茶楽しいぞ。死ぬほど頭のキレる教授や、自分より若くて自分よりはるかに賢い友人と知り合えるぞ。毎日のように興味深い勉強会が開かれているぞ。図書館で2時まで勉強して、ああ疲れたと周りを見ると、まだ何十人も残っている、そんな環境に、日本では、一定の学力さえ満たせば誰でも参加できるのだ。

大学へ遊びにおいで、と言いたい。

仕事・育児・数学の三つは不可能だ。本当に数学をやり直すなら学生になるしかない。しかしそれは今やるべきなのか…そうだ、大学時代の指導教官に相談メールを送ってみよう。勇気を振り絞ってメールを送ったのですが、一週間待っても二週間待っても返事はきません。「もしや…」と思って調べてみたら既に退官されていた。それはもう深く落ち込みましたが、充分落ち込んだ末に「相談してどうしたかった?『君ならやれる』とでも言って欲しかったのか?」という自問を経て、反乱を起こすような気持ちで受験を決意しました。会社に「勉学休職制度」があったことも強い後押しになりました。

この決意が5月で、試験は9月。8年のブランクがあって数ヶ月で受験勉強というのは明らかに無謀ですが、落ちたところで失うものといったら受験料ぐらいだ、一度受かってるんだからなんとかなるだろう!とテンションを上げて「エイヤ!」と申込書を提出しました。

狂気の受験勉強

「一様収束ってなんだっけ?」レベルまで抜けていたので、大学一年の解析・線形代数から復習し直しました。平日は行き帰りの通勤時間と昼休み、帰宅後から就寝前まで、土日は部屋に引きこもってひたすら勉強。一ヶ月で一年分復習しないといけないのでじっくりと読み込むことはできず、消化不良のままガツガツ詰め込んでいったので相当にキツかった。取り組んだ読んだ本は以下の通りです:

初学でこのペースはもちろん無理ですが、学生時代にちゃんとやったものはそれなりに潜在記憶に残っているようです。「代数は?」と思われた方は鋭い。スルーしました。選択問題で選ばなければいいのです(本当はダメですよ)。

この狂気の受験勉強ですが、一人心の支えとなる師がいました。第3回プログラマのための数学勉強会で発表してくれたリングさんです。受験に関する悩み相談のみならず、夜遅くにノートの写真を送り合って数学の指導までして頂きました…!

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(受験一ヶ月前のやり取り、殴り書きからもテンパり具合が伺える)

そして受験!

9月、いよいよ本番です。受験はもちろん平日なので、有給休暇を使い切って休みを取りました。準備は上記の通りボロボロの付け焼き刃です。1次は筆記。それはもう緊張したし、「ルーシェの定理」と「リウヴィルの定理」どっちがどっちか分からなくなったりして大変テンパりました。試験の翌日には1次の合格者が掲示され、自分の受験番号を見つけることができました。

2次、面接。数名の教授の前で黒板の前に立たされるのですが、これまた劇的に緊張しました。人前で喋るのは仕事でそれなりに慣れていたはずですが、自信のないこととなればフレッシュに緊張するものだと分かりました。最後に「自分で興味を持って勉強したテーマについて、いくつか書いてください」と言われ、いくつか書いたところ、「そんな簡単なのじゃなくて、4年でやったでしょう、ホモロジー群とか…」と言われ、ジャンピング土下座したい気持ちになりました。

そして2週間後、合格者発表。掲示板に自分の番号を見つけることができました。9年前にも同じ経験をしているはずですが、桁違いに嬉しく感じました。

その後、入学まで…

その後は、上司やチームへの報告と、勉学休職を取得するための手続き。「休職」なので給与は出ませんから、支出を抑えるための準備を諸々。あの学力のままではゼミで殺されるのでちゃんと復習をしたかったのですが、まぁ無理でした(有給も使い切っちゃったし)。3月31日まで働き、最終日には激励と共にお世話になった人たちに見送りをして頂きました。

学生になって

そして4月から学生となり、雨の日も晴れの日も図書館にこもって数学しています。数学していると1日がすぐに過ぎてしまい、もう一ヶ月経ったのかと思うと少し焦ります。それでも数学に没頭できることは幸せですし、この時間は大切に使わねばと心から思います。常にフルパフォーマンスでいたいので、心身の健康にも気をつけねばなりません。

研究室は第一希望のところに配属されました。面談で「何を研究したい?」と問われ、「先生、数学がしたいです…」としか言えなかったのは情けない限りでしたが、この一年のうちにテーマを見つけたいと思っています。先日はじめて先生や先輩方の前でゼミ発表をしました。「できるだけノートは見ずに、自分の内から出てくる数学を話してください」と言われたのがとても印象的でした。早くそうなりたい。

ちなみに家計については貯金と妻の収入で回しています。保育園の送りは毎朝僕が担当し、お迎えは週に2, 3回。土日のいずれかは勉強させてもらい、残りは子供と過ごす日にしています。家事も洗濯物を畳んだり食器を洗ったりして、今のところは「予想以上に協力してくれるので、なんとかやっていけそう」と合格点をもらえているようです。受験中は大変な負担をかけてしまったので、ここもちゃんと継続したい。

まとめ

改めて、9年前の心身を蝕んだ悩みはなんだったのかと考えると、将来への不安と凝り固まった考え方による必然的な行き詰まりだったのではないかと思います。僕にとっては一度数学を離れたのは良かったと思いますし、また晴れやかな気持ちで戻ってこれたのも良かった。9年間を総括して過去の自分にアドバイスを送るとしたらこんな感じです:

  • その気になればいつでも稼げるという自信はデカい。
  • 目的意識を持って真剣に取り組んだことは目標の通りにならなくても無駄にはならない。
  • 合わないと思った人でも共通の目的意識が持てればやっていけるし、それを通して「合う人」の幅も広がっていく。

数々の縁があって今の自分があるので、その一つ一つに感謝しています。僕が id:sho_yokoi さんの記事に動かされたように、この記事も再び学生に戻りたいと考えている社会人や、就職について悩んでいる学生にとってのヒントとなれば幸いです。

そういえば、とあるゼミに参加したら9年前の指導教官がいらしてました。僕の顔は覚えてくれていたようで、挨拶の後に「昨年の5月ごろにメールをお送りしたのですが…」というと「あぁ、あったね、顔見たら思い出した」と笑顔で返されました。どんだけ落ち込んだと…と思いましたが、結果として自分の意思で数学に戻ってくることができたのでそれも良かったとしましょう。

最後までありがとうございました。